日本の未来

グローバル化に邁進する日本の未来に危機感を抱く者です。歴史認識を正して日本人としての誇りを培いたいと願っています。体験にもとづく本音トークも交えます。

日航機不時着事故の真相ーー「とれたてフジテレビ」への疑問(2)

 

ご遺族の悲しみを少しでも癒すために、ご遺志を受け継いで生き抜いて来られた姿を描き、讃えることには、心から賛同いたします。

奇跡的に生還された方の思いや、大黒柱を失って女手一つでお子様たちを立派に育て上げられた方の思いを、私もしっかりと共有し、涙を拭きながら視聴しました。

その意味で、今回のフジテレビの番組を頭ごなしに批判するのではありません。取材に協力されたご遺族の方々には、敬意を表します。


けれども、報道する側に対して、どうしても許せないことがいくつかありました。

最も卑劣で無責任だと感じたのは、〈事故原因の究明〉に関する、視聴者への裏切り行為とも言える姿勢です。

事前にテレビ画面での予告編として、何度か流されたのは、「これまで明らかにされなかったボイスレコーダーの新たな分析結果が、ここで証される!ドーンという爆発音のようなものが、実は3回起こっていたのだ!」というようなものでした。

いかにも、従来の事故調査結果とはまるっきり異なる新たな見解が示され、これまでいわゆる陰謀論として片付けられていたことに、照明が当てられるかのような、人々の期待を促すような、予告でした。

調べてみるとインターネット上にも、その旨が記されていました。
下記に、引用します。

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2014/140722-298.html

 


更なる真相に迫った検証ドキュメンタリードラマ。
『8.12日航機墜落 30回目の夏 生存者が今明かす“32分間の闘い
ボイスレコーダーの“新たな声”』

8月12日(火)18時30分~20時54分

「取 材を進める中で、乗員・乗客のご家族や事故に関わった方々の多くが口にされたのは、何故事故が起きてしまったのか、何故520人もの尊い命が一瞬にして奪 われなければならなかったのかという、29年間全く変わらずにある思いでした。日航機墜落事故は、やはりまだ終わっていない事故なのだという印象を改めて 強く持ちました。番組では、新証言やテレビ初公開の新事実に加え、今だからこそ可能となった科学的アプローチで、これまで伝えきることができなかった『墜 落までの32分間』と『奇跡の救出劇』のさらなる真相に迫ります。事故に関心をお持ちの方だけでなく、事故を知らなかった方にも是非ご覧いただきたいと思 います」



ところが、結論を言えば、事故原因は、事故報告書が示すとおり、

ボーイング社の修理ミスによって、機体後部にある圧力隔壁に亀裂が生じ、垂直尾翼が吹き飛ばされた」

ということに、またしても帰着するのです。

見終わった後、「結局、肝心なことをさらに手厚く隠蔽するための番組なのでは?」という感想しか持てませんでした。思わせぶりなあの予告は何だったのか?と・・・

最後は、「人間の運命は誰にとっても明日をも知れないが、それに立ち向かって生きていく強さを遺族から学ぼう」というような運命論で、誤魔化しました。

百歩譲って、〈家族愛〉をテーマに、制作された番組であることを認めるとしましょう。それならば、あのように〈原因究明〉を前面に打ち出してほしくありません。

たとえそれが「視聴率確保のための苦肉の策」だったとしましょう。それならば、「真相に迫る」と視聴者の関心を喚起しながら、実は、従来の情報を上塗りしただけだということに対する謝意を示す意味でも、もっと番組全体の扱いへの配慮がほしかったと思います。

コマーシャルや、次回の広告(それもめちゃくちゃはしゃいだ、がははは・・・と大笑いするような内容のものです)を頻繁に挟み、全くのショー番組になっていたではありませんか。

不謹慎にもほどがあります。当時の映像の中にも、デリカシーを欠くものがありました。

生 存者救出の場面で、救急のヘリコプターが現場に向かおうとしても、報道関係のヘリコプターに邪魔されて、なかなか思うように対応ができなかった、というこ とも伝えられていました。しかし、それを単なる事実として述べただけで、報道する側としての何らかの自己反省の言葉は、聞かれなかったと思います。

このような番組が、国民の目を曇らせ、権力者の横暴を擁護するのだな、ということを改めて思い知らされました。