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日本の未来

グローバル化に邁進する日本の未来に危機感を抱く者です。歴史認識を正して日本人としての誇りを培いたいと願っています。体験にもとづく本音トークも交えます。

就職を控えた若者と語り合った日本の未来


この店を訪れるのは何度目になるでしょう。はっきりとは思い出せないけれど、昨年の春以来、7回くらいではないかと思います。

今日は、手元にあるアイスクリームブリュレのサービス券を無駄にしたくなかったので、入ることにしました。メイン料理を頼むことが条件です。

ビビッときて「ひよこ豆の煮込みハンバーグ」に決めました。注文を取りにきたウエイターに、「ピリ辛は苦手なので辛さを控えてくださいね」と頼みました。

料理を食べ終わるころ、厨房から私の座席に向かって来るエプロン姿の若者がいます。数年前の教え子です。ここでアルバイトをしていることは、以前から知っていたのですが、今まで会ったときはいつもウエーターとして接していました。

彼が「先生、今日の料理は僕が作ったんですよ!」と言うではありませんか。私はてっきり、プロのシェフ(店長さんとか)が作られたものだとばかり思いながら、大満足でいただいたのでした。

今日は姿が見えないからバイト日ではないのだろうと思っていたのに、そうか、陰で働いていたのか・・・と思いながら「まあ、そうなの・・・とってもおいしかったよ!」などと、簡単な言葉しか返しませんでした。

今にして思えば、材料、作り方、味付けのことなど詳しく聞いてもっともっと思い切り褒めればよかったのですが・・・トンチンカンにも「最初にこのお店でいただいたオニオングラタンスープを、私も家で真似して作ったのよ」などと・・・

そして彼が近い将来勤める銀行のことについて、話を切り替えてしまったのでした。
しかも4月からは大手銀行への就職ということで、誇らしい希望に燃えている若者に、

「銀行勤めは、平和で安定している時はいいけど、これから先どうなるか分からないわね。私が知る限りでも以前、あなたの就職先の銀行でさえ、不穏な噂が流れたことがあったからね」とシビアな言葉を放ったのです。

「父 もそんなことを言っていましたよ。世の中が安定している時はいいけれど、と・・・」彼の言葉に乗じて、さらに私は「アメリカがこれからどうなるか分からな いものね。ドル崩壊などということも言われているし、日本はアメリカの半植民地だからもろに影響を受けるでしょうし・・・」

流石に大学でいろいろ学んでいるからでしょう、彼は全く動じる風もなく「そうですね・・・」と考え込んでいる様子でした。「ま、いろいろと勉強しながらがんばってくださいね」と、心許ない言い方しかできない自分なのでした。私自身、まだまだ勉強しなければ、と思いました。

高校時代、文武両道を掲げる過酷と言ってもいい環境で、努力した青年です。彼のバイトももうじき終了し、もう会うこともなくなるでしょう。社会に出れば、いろいろな困難にぶつかることでしょうし、自分の努力では如何ともし難い場面もあることでしょう。

実は、今日この店に入ったわけは、デザート券のことよりも、もしも彼がいたとすれば、日本の未来についての対話をしたかったからなのでした。

以前、就職内定の報告を受けたときには、念願の大手の就職先をゲットできたことに対する、お祝いの言葉しかかけませんでした。当然ではあります。けれどそのままでいいのか・・・という思いもあったのです。

明るく幸せな未来を夢みて努力している、一人ひとりの若者たちが、報われるように祈ります。けれど同時に、若者自身も危機感を持ち、より真剣に学び、考え、日本の未来を切り開く担い手になってくれるよう期待したいと思います。